まこっ鑑賞録

読みたい!見たい!と思ったものを鑑賞し、そのまんま感想述べてみるブログ

読書百冊(2) 「日本人の英語」マーク・ピーターセン著

私は英語に関して、というより語学全般に関して多少の苦手感を抱いている。基本文法や単語を覚えて、こんな感じだろうと組み立ててみても、綺麗な英作文にならない。読むのもひと苦労する。何故だろうか。

 

それは英語と日本語の差を感じていないからである。

 

本書は日本人が陥りやすい英語の落とし穴を、我々にとって実に想像しやすい形で教示している。「これを覚えれば〇〇!」とか、「重要単語1000!」みたいなキャッチーな内容ではない。しかし、一つ一つの前置詞やイディオムについて正しいイメージを持ってもらうことに重点を置いているため、読む英文が全く違う印象を持って現れるのだ。

 

英語は日本語文法と構造が違う。語彙も1対1で対応するとは限らない。時制などの概念についてもより厳密に捉えている。onとoffの対立概念がイディオムになるとどう解釈したらいいのだろうか?完了形とか進行形ってどう使い分けるんだろうか?中学高校時代にモヤモヤしたまま放っておいたポイントに直接突っ込んでいくスタイルがとても魅力的だ。筆者が日本語に堪能であるため、日本人はこう考えがちだけど実はこれはそのまんまは通用しないんだ、とか、日本語では違うように聞こえるけど英語的には一緒なんだ、とか両者の立場がはっきりしている。身近な話題から切り込まれるので読みやすいだろう。英語学習に疲れてしまった人や英語って難しかったなという思い出がある人こそ読んでみてほしい。

 

さて、日常学習において英語的な感覚をどのようにつけたら良いのだろうか?こんなに違うのにひたすら暗記なんだろうか?いや、それはやはり一つ一つの単語を説明できるように訓練せねばならないのだろう。

 

英語に苦手意識のある私だが、実は偉そうに塾のバイトで英語を教えていたりする。英語なんて見たくもないという生徒に対し、ただ暗記しろというのは酷だと常々感じている。まずはイメージ出来ることが最優先だ。法則性云々も大事だが、イメージ(=捉えどころ)を見つけてあげる、そういった指導が出来たら理想的だと思った。と同時に、昔そうやって教えて貰えてたらもうちょっと好きになれたのかなとも思った。

 

本書を読んで英語を勉強したいとまでは至らなかったが、英語についてもう一度根本的に考えてみたいとは思った。特に日本人にとっての英語とは、ということに関しては昔から腑に落ちないところが多多あったので、決着をつける意味でも追求していきたいと感じた。